子供の逆流性食道炎の対処法、注意点

逆流性食道炎を食事で改善胸やけ・呑酸を放置しない!35歳からの食生活改善法

逆流性食道炎とは?

赤ちゃんや子供の逆流性食道炎

逆流性食道炎というと、これまで高齢者に多い病気とされてきましたが、最近では子供でも逆流性食道炎を起こすケースが増えてきているようです。では、赤ちゃんや子供にとっての逆流性食道炎とは、どのようなものなのかについてみていきましょう。

赤ちゃんや子供にも起こる得る逆流性食道炎

以前は子供の逆流性食道炎というと、重症心身障害や上部消化管の奇形を持っているなど、ごく稀なケースでみられるだけでした。しかし最近になって、先天的な要因のない、健常に成長している子供の中でも、逆流性食道炎を発症するケースが、増えてきていることが報告されています。[注1]しかし、赤ちゃんや子供が逆流性食道炎を起こす原因は、大人が発症する原因とは異なることも考えられるため、治療をすすめていく際には、非常に注意深くおこなっていく必要があるそうです。

赤ちゃんや子供が逆流性食道炎になる理由

生後2ヶ月くらいまでの赤ちゃんは、まだ逆流を防ぐ下部食道括約筋が未発達です。そのため、ミルクをダラダラと吐く「噴門弛緩症」や、ミルクを噴水のように勢いよくもどす「肥厚性幽門狭窄症」といった生理的な逆流現象を起こしやすいのですが、そこに授乳中・授乳後の姿勢や受動喫煙、母乳中のカフェインという要因が加わると、さらに逆流を誘発するとされています。また子供の場合、咳で吐くことがあり喘息の合併症として現れるケースもあります。咳の薬だけでは喘息の症状が改善されない場合、逆流性食道炎の併発を疑う必要があります。[注2]

赤ちゃんや子供の逆流性食道炎の検査

症状が軽い乳児に対しては、逆流性食道炎であるか否かについての検査はおこなわれません。しかし、症状が複雑に現れている場合は、以下のような検査が実施されるそうです。

  • X線検査
    小児にバリウムを飲ませ、消化管の形状をX線撮影することで、逆流の原因を特定していきます。
  • 24時間pHモニタリング検査
    先端に酸性度(pH)を測るセンサーがついた細い管上の機器を鼻から食道へ挿入し、24時間食道内の酸性度をモニタリングします。この時にセンサーで酸が検出されれば、逆流があると認められます。咳などの症状がある子供に逆流がないかどうかを検査する時にも、この方法が採用されます
  • ミルクスキャン
    体に害のない弱い放射性物質を少量含んだ飲料を小児に飲ませ、特殊なカメラやスキャナーで体のどこに放射線物質があるのかを検出することで、排出までの速度の計測や、逆流または誤嚥の有無を確認します。
  • 内視鏡検査(+気管支鏡検査)
    先端にカメラのついた細い管上の医療機器を口から挿入し、食道や胃の状態を映し出して目視で確認していきます。また、逆流が肺や呼吸に問題を起こしていないか、同様の医療機器を使った気管支鏡検査もおこなわれます。

赤ちゃんや子供の逆流性食道炎の対処法

赤ちゃんや子供の逆流性食道炎を治療するためには、患者である子供の年齢や症状によって適した方法が異なります。

  • 乳児の場合
    ミルクの絡んだゲップをするだけの乳児には、とろみを付けた人工乳を与えたり、授乳姿勢を注意する、ゲップを頻繁にさせるなどの対処法が勧められます。また、食物アレルギーなどを持つ乳児に対しては、低アレルゲン乳が有効であるとされています。

  • 症状が重い子供に対しては、胃酸を中和する薬や胃酸の分泌を抑制する薬、消化管の動きを改善する薬などが、現れている症状に合わせて処方されます。
  • 手術
    稀なケースとなりますが、逆流が重度であると認められた場合、噴門形成術などの外科的手術の適応例となる事があります。

そもそも、逆流性食道炎は子供には起きづらい病気とされていたのですが、現代社会の生活習慣や食生活の変化が、子供の発症率を高くしていると考えられています。早寝早起きやお菓子ばかり食べないでご飯を食べなさいなど、昔から大人が子供に注意してきたことこそ、逆流性食道炎の予防には非常に大事なことなのです。[注3]

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