逆流性食道炎とは?
逆流性食道炎というと、これまで高齢者に多い病気とされてきましたが、最近では子供でも逆流性食道炎を起こすケースが増えてきているようです。では、赤ちゃんや子供にとっての逆流性食道炎とは、どのようなものなのかについてみていきましょう。
以前は子供の逆流性食道炎というと、重症心身障害や上部消化管の奇形を持っているなど、ごく稀なケースでみられるだけでした。しかし最近になって、先天的な要因のない、健常に成長している子供の中でも、逆流性食道炎を発症するケースが、増えてきていることが報告されています。[注1]しかし、赤ちゃんや子供が逆流性食道炎を起こす原因は、大人が発症する原因とは異なることも考えられるため、治療をすすめていく際には、非常に注意深くおこなっていく必要があるそうです。
生後2ヶ月くらいまでの赤ちゃんは、まだ逆流を防ぐ下部食道括約筋が未発達です。そのため、ミルクをダラダラと吐く「噴門弛緩症」や、ミルクを噴水のように勢いよくもどす「肥厚性幽門狭窄症」といった生理的な逆流現象を起こしやすいのですが、そこに授乳中・授乳後の姿勢や受動喫煙、母乳中のカフェインという要因が加わると、さらに逆流を誘発するとされています。また子供の場合、咳で吐くことがあり喘息の合併症として現れるケースもあります。咳の薬だけでは喘息の症状が改善されない場合、逆流性食道炎の併発を疑う必要があります。[注2]
症状が軽い乳児に対しては、逆流性食道炎であるか否かについての検査はおこなわれません。しかし、症状が複雑に現れている場合は、以下のような検査が実施されるそうです。
赤ちゃんや子供の逆流性食道炎を治療するためには、患者である子供の年齢や症状によって適した方法が異なります。
そもそも、逆流性食道炎は子供には起きづらい病気とされていたのですが、現代社会の生活習慣や食生活の変化が、子供の発症率を高くしていると考えられています。早寝早起きやお菓子ばかり食べないでご飯を食べなさいなど、昔から大人が子供に注意してきたことこそ、逆流性食道炎の予防には非常に大事なことなのです。[注3]