逆流性食道炎と胃食道逆流症(GERD)

逆流性食道炎を食事で改善胸やけ・呑酸を放置しない!35歳からの食生活改善法

逆流性食道炎とは?

逆流性食道炎と胃食道逆流症(GARD)

胃酸(胃液)が食道へと逆流することで、食道内が炎症を起こすのが逆流性食道炎です。しかし、たとえ逆流が起こっていたとしても炎症を伴わないケースもあり、「胃酸が逆流している=逆流性食道炎」とは実は必ずしも言えないのです。それに対し胃食道逆流症(GERD)は、炎症の有無に関わらず胃から食道に逆流を起こしている状態の総称ですので、「逆流=GERD」としても、過言ではないかもしれません。それでは、胃食道逆流症(GERD)と逆流性食道炎にはどのような関係性があるのかについて、みていきましょう。

逆流性食道炎が胃食道逆流症(GERD)の一部

胃食道逆流症(GERD)とは、胃酸や胃の内容物が胃から食道へと逆流している病状の総称です。ですので、胃酸によって食道粘膜が傷ついたり炎症を起こしていなくても、胸やけや呑酸などの症状があり逆流が確認されれば、まず胃食道逆流症(GERD)であると診断されます。そこからさらに内視鏡検査で食道内の状態を確認し、食道粘膜にびらんや潰瘍などがある場合は「逆流性食道炎」、食道内にびらんや潰瘍などがみられない場合は「非びらん性胃食道逆流症」に分類されます。

胸やけ症状 食道の粘膜の目に見える炎症(びらんや潰瘍など)
胃食道逆流症(GERD) 逆流性食道炎 ある※
※症状がないこともあります(無症候性逆流性食道炎)
ある
非びらん性胃食道逆流症(NERD) ある ない

逆流性食道炎と非びらん性胃食道逆流症(NERD)の違い

胃食道逆流症(GERD)の中で、胃から逆流した胃酸などによって食道粘膜が傷つき、炎症が生じているものを「逆流性食道炎」と分類します。これに対し、ひどい胸やけなどの症状があるにもかかわらず、食道粘膜にびらんの異常などが認められないものを、「非びらん性胃食道逆流症(Non-Erosive Reflux Disease:NERD)」と分類します。頭文字から「ナード」と呼ばれます。この2つの違いは、食道粘膜に傷や炎症といった異常があるかどうかと言うことと、胃酸の逆流が認められるかどうかという点です。

NERDは逆流性食道炎より重症のものもある

非びらん性胃食道逆流症(NERD)は、近年では胃食道逆流症(GERD)の約7割がこれに該当するとされ、特に20歳代から40歳代にかけて増加傾向にあります。[注1]当初は食道内に炎症などの異常が認められないことから、胃食道逆流症(GERD)の軽症例とも考えられていましたが、逆流性食道炎よりも強い症状によりQOLが低下するケースもあり、最近では異なった病態と考えられるようになりました。また逆流性食道炎のように、炎症などのはっきりした病変がないばかりか、胃酸の逆流が認められないという場合もあり、治療が難渋するということもこの病状の問題点に挙げられています。こうした胃酸の逆流が認められないにもかかわらず、強い胸やけの症状などが起こるケースは、非びらん性胃食道逆流症(NERD)の中でも「機能性胸やけ」と分類され、脳疲労が要因となっているとも考えられています。[注2]

逆流性食道炎の重症度を表すロサンゼルス分類

引用元:改訂ロサンゼルス分類,逆流性食道炎の診断を正確に行うコツ (https://www.jstage.jst.go.jp/article/gee/56/5/56_1804/_pdf#page=3)

ロサンゼルス分類とは、医師が内視鏡で逆流性食道炎の程度を目視し、その程度を分類するための指標で、以下のようにグレード分けされています。

N…胸やけなどの症状があっても、食道粘膜に炎症が認められない状態。
M…食道粘膜に炎症は認められないが、赤みを帯びている状態
A…直径が5㎜未満の粘膜炎症。粘膜のヒダの一部分にのみ炎症が出ている状態で、軽症と言える。
B…直径が5㎜以上の粘膜炎症。複数の粘膜のヒダに炎症が出ているが、連続していない状態で軽症と言える。
C…複数の粘膜のヒダに炎症が認められ、それが連続して広がっている状態で、重症と言える。
D…食道内の全週75%以上に粘膜の炎症が起きている状態で、重症と言える。

逆流性食道炎をより効果的に治療していくためには、自分が抱えている症状に合った治療を行っていくのがベストです。そのためにも、内視鏡検査によるロサンゼルス分類をおこなうことは、とても有効であると言えるのです。[注3]また内視鏡検査をおこなうことは、バレット食道を発見することにも有効です。バレット食道は逆流性食道炎を繰り返すことで起こる合併症の1つですが、食道ガンの前癌状態とされている症状ですので、早期に発見されることが非常に重要です。ですので、逆流性食道炎の患者さんには、定期的な内視鏡検査が求められています。

NERDは「見えない現代病」

非びらん性胃食道逆流症(NERD)は、「見えない現代病」とも言われています。根本的な原因は未だ解明されておらず、病気としての認知度も低いため、不要な薬の処方や気のせいとされかねません。症状があれば早めに専門医を受診し、内視鏡検査を受けることをお勧めします。

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