逆流性食道炎とは?
逆流性食道炎とは、胃酸(胃液)や胃の内容物などが胃から食道へ逆流することで、食道の粘膜が炎症を起こす病気です。この逆流性食道炎を発症する要因として筋力の低下が挙げられており、そのため60歳以上の高齢者(特に女性)がかかる病気とされてきました。しかし近年では、生活習慣や食生活の変化により、若い年代の人にもこの病気を発症する人が増えてきています。
逆流性食道炎は胃酸などが食道へ逆流することで起こる病気だと言いましたが、本来であれば食道と胃のつなぎ目にある「下部食道括約筋」という筋肉がフタの役割をし、胃の内容物が食道へ逆流することを防いでいます。しかし高齢者になると、加齢により体の筋力が低下していきますので、運動機能・内蔵機能がどうしても衰えてしまいます。もちろん、下部食道括約筋の働きも低下するため、フタの役割を果たせず胃液などが逆流を起こしやすくなってしまうのです。他にも食道のぜん動運動が活発ではなくなる、唾液の量が少なくなる、という逆流した胃液を胃に戻す働きも同時に低下しますので、逆流した胃液が食道にとどまり続けより症状を悪化させてしまうのです。また筋力の低下し腹筋や背筋が弱くなった高齢者は、正しい姿勢を保つことが難しくなり、背中が曲がる人が多くなります。すると、結果として内臓を圧迫してしまうため、腹圧が上がって胃液を逆流させてしまったり、逆流性食道炎の原因とされる「食道裂孔ヘルニア」になる確率が高まってしまう事もわかっています。[注1]
高齢者は加齢により筋力が低下することから、逆流性食道炎になりやすい傾向にあります。ですが、日常生活において以下の点を注意いただくことで、病気の予防であったり治療の助けとなりますので、参考としてください。
【参考文献】